富山諏訪神社( 栃木県

所在地:栃木県那珂川町
彫師:詳細不明
彫物製作年代:江戸時代後期

 栃木県と茨城県にまたがり、山上に鷲子山上神社がある鷲子山から流れる鷲子沢の流れる富山地区にある諏訪神社。寛永18年(1641)に松野村の二荒山神社から分社して創建されたと伝えられている。当時は水戸藩の領地で葉たばこ、紙漉き、絹織物の産地として繁栄していた。諏訪神社は郷の鎮守として手厚く崇敬されてきた。秋の例大祭のささら舞は県指定の無形民俗文化財になっている。普段は覆い屋で外からは拝観できない本殿も、祭礼の時は拝観することができる。

棟高3.3m、床幅1.2mと小ぶりな一間社流造りの本殿は、平成3年に鞘堂、拝殿ともども修復された。本殿向拝の水引虹梁上には親子龍、梅に鶯の向拝柱、床下には波に兎があり、背面には彫物がないが、両側面の胴羽目には、天女と龍、唐獅子牡丹があり、脇障子は竹に虎。珍しいのは、海老虹梁には飛龍、そして軒下ではなく高欄下に力神を配していることで、この高欄下で社殿全体を支える力神は那須町の大沢天稲荷にも見られる。本殿の建立は江戸時代後期としかわかっていないようだが、大沢天稲荷は天明6年(1786)となっているので、諏訪神社もこの頃に建立されたのではないだろうか。
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