篠葉沢稲荷神社( 福島県

所在地:福島県福島市
彫師:安達町加藤源、二本松市渡辺幸重郎
彫物製作年代:明治30年(1897年)

創建は、神社に伝わる古文書によれば正長元年(1428年)、信達二郡村史によれば正元元年(1259年)。昔、この地の妊婦たちが難産で苦しんだときに、ある妊婦が神霊の顕示を受け、風致のよい当地に勧請されたと伝えられる。以来、特に安産と子授けなど子安の神として信仰されてきた。御祭神は倉稲魂命(うがのみたまのみこと)。
現在の御本殿は明治26年(1893年)に起工され、明治30年(1897年)に竣工。四面のいたるところに精巧な彫刻が施され、彫刻の社と例えられているほどだ。御本殿は三春城お抱えの宮大工、伊藤九賀之助が建築。彫刻師は安達町出身の加藤源と二本松市出身の渡辺幸重郎。

小振りな一間社流造の本殿は、四面とも彫刻で埋め尽くされている。正面向拝柱と海老虹梁の昇り竜、降り竜、背面の胴羽目には、天の岩戸、左右の胴羽目は、本殿が建てられた時期の世相を反映し、日清戦争の海軍と陸軍の図となっていて、全国的に非常に珍しい。四面の欄間には、四季農耕図がある。千鳥破風には素戔鳴尊の八岐大蛇退治がある。高欄下には十二支と白河以北で最も装飾に富んだ社殿ではないだろうか。
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