貴渡神社( 新潟県

所在地:新潟県長岡市
彫師:石川雲蝶
彫物製作年代:嘉永元年(1848)

巣守神社の境内に鎮座している。嘉永元年(1848)建立。栃堀の庄屋・植村角左衛門貴渡(たかのり)を、栃尾織物の祖として祀っている。植村角左衛門貴渡は、天明の飢饉にさいし米作だけでは今後も飢饉のさい悲劇は繰り返されると考え、米沢織を習い縞紬の製法を完成させ、栃尾紬として全国に知れわたった。そのため貴渡神社は、機神様と栃堀の人々に崇敬され親しまれてきた。

覆屋の中の社殿の左右の胴羽目には、祭神植村角左衛門貴渡にちなんで養蚕の様子の彫物で飾られている。石川雲蝶の作で全国的に珍しい題材となっている。桑摘みや蚕の世話をする様子、繭を煮たり機織りに励む女性などが、中国風の意匠で表現されている。胴羽目上部蛙股には十二支が二支ずつ(龍は龍だけ、牛、鼠、兎は一緒)彫られている。弘化2年(1854)32歳で越後入りした雲蝶の最も初期の作品。
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