初鹿野諏訪神社( 山梨県

所在地:山梨県甲州市
彫師:下山大工 土橋文蔵
彫物製作年代:延享元年(1744)

旧大和村鶴瀬、宮本、水野田、丸林区の土産の神であり、境内に本殿、拝殿、随身門と神木の朴の木、甲州街道の三本杉の一つに数えられていた巨木の切り株ある。本殿は、延享元年(1744)九月吉日、下山大工の棟梁土橋文蔵によって再建された。本殿の周囲に刻まれた竹林の七賢人、上り龍、下り龍等の彫刻は甚だ巧妙であり、その華麗さは類をみない。本殿は県指定文化財となっている。
御祭神は建御名方命、起源は詳かではないが、古書に曰く。「建御名方命諏訪よりこの地に巡狩せらりし折、供奉の臣足痛をなして困苦甚だし。里人蘆茅を以って日向に一宇を結び治療奨めしに、日を経て茅屋の傍に温泉湧出せり。よって供奉の臣浴し見たるに足痛たちどころに癒え、附近の野にて狩をし初めて鹿を射たれば「初鹿野」の名を賜えりと。里人此処に一宇を建てて祀れり」(教育委員会の解説板より)

脇障子の鬼と鐘鬼と子鬼たちが表裏に彫り込まれ、繋ぎに昇り龍、降り龍があるのが特徴的だ。鬼や鐘鬼や胴羽目の竹林の七賢人のデザインもユニークで見ていて微笑ましくなる。縁床下に牛をはさんでいるのは鹿だろうか、あまり見ないデザインだ。他の彫物も見ごたえがあり、下山大工の作品として優れたもののひとつ。
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