定義如来 極楽山西方寺山門( 宮城県

所在地:宮城県仙台市青葉区
彫師:仙台・石井寅正
彫物製作年代:昭和6年

 平重盛の重臣、平貞能が壇ノ浦の合戦の後、重盛から託された阿弥陀如来の軸と共に、この地に隠れ住み、貞能の名を定義と変えた。平貞能の死後、墓の上に小堂が建てられ、阿弥陀如来の軸が祀られた。宝永3年(1706)、従臣の後裔早坂源兵衛が、自ら出家し「観蓮社良念」と称し、「極楽山西方寺」を開創。

 定義如来は仙台市とはいえ、人里離れたダムのさらに奥にある。今は車で仙台市中心部から1時間前後で行けるが、さすが平家の隠れ里の伝承があるだけあって、よくぞこんな山奥に、と感心する。さらに驚くのはその伽藍の大きさだ。山門、貞能公御廟(旧本堂)本堂、五重塔まである。山門は、気仙大工の中でも名棟梁の花輪喜久蔵によって昭和6年に建立。彫物は仙台の石井寅正。どれも見応えある彫物だが獅子のデザインが石井寅正独特のもので、宮城県北部の社寺には良く見ることができるが、他の地域ではお目にかかったことがない独創的なものだ。他の獅子は彫工不明だったので、石井寅正のオリジナルのデザインなのだろう。
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