聖神社( 鳥取県

所在地:鳥取市行徳2丁目
彫師:彫師不明
彫物製作年代:拝殿:文化10年 1813年、本殿:宝永7年 1710年

 聖神社の御祭神は、邇邇藝命(ににぎのみこと)」「日子穂穂手見命(ひこほほでみのみこと)」「事代主神(ことしろぬしのかみ)。創建の年代は不明。古くから「聖(ひじり)さん」と呼ばれ信仰されてきた。社殿の脇にはイチョウの大木2本が屹立し、イチョウのほか境内には欅の大木もあり、それぞれ樹齢は300年近い。
 春、秋の祭りには伝統の麒麟獅子舞が奉納され、春祭りには「神幸祭(みゆきさい)」行列が市内を練り歩く。神幸行列は江戸時代の安永6年(1777)に始まったと伝えられている。

 棟札から本殿は宝永7年(1710)、幣拝殿は文化10年(1813)の建立。拝殿の木鼻の獅子の意匠は他に例をみかけない珍しい意匠で、獅子というよりは狼、山犬のように見える。埼玉県秩父地方の神社では、古くからの山岳修験、狼信仰があり、狛犬が狼(山犬)だが、聖神社は御祭神を見ても、立地条件からも狼(山犬)信仰とは無縁と思える。彫師は不明だが、木鼻の意匠は拝殿の彫師の独自独特の意匠なのだろう。向拝正面が鯉と仙人、手挟みに竹に虎、龍というのも変わっている。
 本殿は、高欄下には十二支が彫られ、胴羽目には、鷹と猪、鷹と兎などの彫物があるが、珍しいのが海老虹梁がその名の通り海老の彫物になっている。伊勢海老と見えるが、海老虹梁が左右とも1匹の巨大な伊勢海老が彫られているのは、全国的に珍しいと思える。海老虹梁の近くの木鼻に鼻先の曲がった象と獏ともなんともわからない彫物も珍しい。
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