矢彦神社( 長野県

所在地:長野県辰野町小野
彫師:立川和四郎富棟
彫物製作年代:天明2年 1782年

 旧三州街道(国道153号)沿い、辰野町と塩尻市の境、矢彦神社と小野神社が隣接し鎮座している。辰野町には矢彦神社、塩尻市には小野神社があり、共に信濃の国二之宮・上伊那54ヶ村の総鎮守として由緒ある神社である。矢彦神社の御祭神は、正殿:大己貴命(おおきむちのみこと)・事代主命(ことしろぬしのみこと)、副殿 :建御名方命(たてみなかたのみこと)・八坂刀賣命、南殿 :天香語山命・熟穂屋姫命、北殿 :神倭磐余彦天皇・誉田別天皇、明治宮:明治天皇。
 大己貴命が国造りをしていた時、御子の事代主命と建御名方命をしたがえて、この地を訪れたと伝えられている。欽明天皇の時に、大己貴命と事代主命を正殿に、建御名方命と八坂刀賣命を副殿に祀った。皇室や木曽義仲をはじめとして多くの武将からも崇敬されてきた。
 両社域36000平方米の森は県の天然記念物に指定され、杉・檜・サワラ・モミなどの針葉樹、欅・栗・楓・ミズナラ・コブシ・銀杏などの広葉樹の混合林で、古代からの天然林が残っている

 鳥居を潜っていくと御柱の立つ神楽殿、勅使殿があり、その先に回廊を巡らした拝殿がある。この3つの社殿はともに立川和四郎富棟によって建てられた。拝殿には彫物が多い。向拝の正面部分には鶴や麒麟。木鼻には獅子、そして海老虹梁には見事な龍が彫られている。左右の龍は雲とともにうねるがごとく飛翔している様が見事に表現されている。他にも獅子や鯉など、諏訪大社秋宮に匹敵する彫物の数々が見ることができる。
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