東山田熊野神社( 長野県

所在地:長野県下諏訪町
彫師:大隈流 柴宮長左衛門
彫物製作年代:安永8年 1779年

 諏訪大社のお膝元、諏訪明神と諏訪の土着のみしゃぐち神以外の神様は、諏訪の地では肩身が狭そうな気がする。秋宮の北西の位置する熊野神社は、集落のどんづまりの丘陵地に鎮座している。階段を上っていくと、左手に行屋がある。修験道の行者が籠り、修行をした処で不動滝もある。さらに上っていくと拝殿がありその上に本殿がある。東山田の集落は修験道の盛んな地区で、駒ケ岳講などの講社も組織された。また熊野神社でも御柱が行われる。小宮の御柱といわれ、諏訪大社に無縁の氏神から、熊野神社など八幡社、稲荷社、各地区の産土神、道祖神、個人の屋敷神に至るまで、町内ごと、地区ごと、一族あるいは個人で、それぞれの社に見合った御柱を建てる。一説には大小150社あまりの神社で行われるとされる。

 本殿は鞘堂に覆われている。小振りな社殿に大隈流の柴宮長左衛門の彫物がある。向拝兎の毛通しに3羽の鶴、その下に亀と龍。亀と龍は躍動感に富んでいる。龍は諏訪大社春宮と同じように写実的というよりはおおらかにデザイン化され、柴宮長左衛門独特の龍だ。木鼻には可愛い獅子がいる。正面扉の小障子には昇り龍降り龍が彫られ、金網に覆われている。獏の表情は微笑んでいるように見える。脇障子には飛龍がほられていて、ここにも金網がかけられている。
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