北熊井諏訪社( 長野県

所在地:長野県塩尻市片岡熊井
彫師:諏訪大隅流 柴宮長左衛門矩重
彫物製作年代:天明2年 1782年

 江戸時代の北熊井村の鎮守で、「諏訪両大明神」「諏訪大明神」と呼ばれた。御祭神は、建御名方命・八坂刀売命・事代主命。北熊井の集落の中に広々とした境内の中に鎮座している。鎮守の森に囲まれ、境内にはゲートボール場もある。神楽殿の背後に拝殿、本殿がある。本殿は大きな覆い屋に覆われている。

 本殿は、県宝に指定されている。天明2年(1782)の再建で、大工棟梁は諏訪の大隅流の名工柴宮長左衛門矩重である。矩重は立川流の立川和四郎富棟と腕を競い、諏訪大社下社の春宮をはじめ、多くの社寺をてがけている。
 本殿正面の唐破風には鳳凰とその下に躍動する竜、正面の桟唐戸の両側の脇壁には柴宮長左衛門矩重の特徴である蘇鉄と兎が見ものだが、覆い屋であまりよくみえない。海老虹梁には波に鯉、軒下の組物には、竜頭、象頭、唐獅子・獏など、四方の壁面には麒麟、その下に岩間に遊ぶ唐獅子の親子と牡丹、脇障子には鶴などすぐれた彫物が多く、大隅流柴宮長左衛門の代表作の一つといえるだろう。
© 2008 Wakabayashi Jun. All rights reserved.