當勝神社拝殿( 兵庫県

所在地:兵庫県朝来市山東町粟鹿
彫師:中井権次橘正次
彫物製作年代:慶応4年 1868年

 當勝神社は、當は旧字で今だと当勝神社。勝利が当たる神社、とうしょう神社と読むのかと思ったら、まさかつ神社と読む。祭神として、開運繁栄の神、万物創世の神、織物の神が祀られている。創建は奈良時代の天平2年(720)と伝えられる。神社の社叢林は、神社を中心に約3haにわたっている。樹高約30mの大杉が神木として信仰されているほか、推定樹齢350〜400年の巨樹古木、シラガシやサカキなどが混生しており、市指定天然記念物となっている。小高い丘の上に鎮座している。参道の階段は長く、随身門を潜ると本殿の鎮座地に着く。境内社があり、左手の天満宮にもおもしろい彫物がある。

現在の本殿は安政6年(1859)、拝殿は慶応4年(1868)に建てられた。拝殿には多くの彫物がある。丹波柏原の中井家四代、中井権次正次の作。向拝回りの鳳凰、龍、獅子は見応えがある。また向拝唐破風の上部の獅子噛がユーニークだ。丹波、丹後、但馬と中井家の彫物は数多く残っているようだが、ここ當勝神社拝殿の彫物は中井家を代表するもののひとつといえるのではないだろうか。
境内社の一社である當勝天神の社殿は、旧本殿で寛永2年(1749)中井家初代中井言次定忠の作の彫刻が施されている。初代言次定忠の作は他にあるのを聞かないので貴重であり、珍しい意匠のものも見受けられ興味深い。
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