知井八幡神社( 京都府

所在地:京都府丹南市美山町
彫師:彫師不明
彫物製作年代:明和4年 1767年

 茅葺の民家の里で有名な京都・美山町北地区。その茅葺民家の集落の東側の高台に八幡神社がある。中世知井之庄九ケ村の総社で、延久3年(1071)由良川対岸の南村上宮山に創建され、永禄10年(1567)大洪水で流失、元亀元年(1570)現在地に遷座。祭神は応神天皇を祀っている。本殿と拝殿(神楽殿)は明和4年(1767)播州三木の大工棟梁、彫刻は京都の匠によるもの。本殿は三間社流造、軒唐破風、千鳥破風など、建築様式、装飾彫刻は江戸時代中期以降の丹波地方の寺社建築の代表的なものと言われている。かって小浜と京を結ぶ若狭街道の道筋だったため、往来の人々が参拝し、旅の安全を守る神社として信仰された。高台に鎮座しているが境内は広々としていて、北地区の茅葺民家の眺めがすばらしい。

 彫物師は不明だが、本殿と拝殿(神楽殿)は明和4年(1767)の建立であると丹波地方で活躍した中井家初代の頃なので、まだ他の彫物師の出番は多かったのだろうか。名前は不明だが京都の彫物師ではないかともいわれている。木鼻の獅子の表情がユニークで、左右一体ずつ麒麟らしい彫物がある。背面はすべて獏になっている。向拝の普通龍の彫物があるところには、松に鳥と他2ヶ所は二十四孝。それと妻側の力神と人物、説話ものがありほかは、霊獣と鳥と植物ものだ。なかでも手挟みの鳳凰の彫物は見事だ。
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