稲粒神社( 京都府

所在地:京都府福知山市川北
彫師:中井丈五郎正忠  久須善兵衛政精
彫物製作年代:寛政11年 1799年

 福知山市川北、旧川北村の鎮守で寛政11年(1799)創建と伝えられている。由良川にかかる川北橋のたもとに広がる水田のかなた鎮守の森の中に鎮座している。このロケーションは神社の名称がよくわかる。水田のあぜ道が参道になっていて、小さな用水路にかかる石橋を渡ると鳥居がある。境内の背面は民家があり、そちら側からも境内に入れる。拝殿は壁がなく開放的でその奥に本殿がある。本殿の背後には10社もの境内社がある。その中で水無月神社、金成稲荷神社では毎年、例祭が営まれている。本殿は京都府の登録有形文化財、鎮守の森は文化財環境保全地区に指定されている。

 一間社流造の小振りな本殿は、棟梁は播州三木の室田儀右衛門家久、彫物は丹波柏原(兵庫県氷上郡)の中井丈五郎正忠と久須善兵衛政精。中井家は、京都の大工頭の中井家のながれをくみ、但馬、丹波、丹後、播磨の広い範囲に作品を残している。柏原中井家は、4代言次(天明7年1787没)が彫物師元祖。丈五郎正忠は2代目。向拝の龍の上の歯をむき出し、髪が広がっている彫物は、鬼なのだろうか、力神なのか、兵庫県の當勝神社にもあり関東ではみられず、中井家独特ものだろう。長押上の虎と兎は同一人物の彫物ではないような気がする。
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