大鷲神社( 東京都

所在地:東京都足立区
彫師:後藤与五郎
彫物製作年代:明治8年 1875年

 大鷲神社(おおとりじんじゃ)は、浅草をはじめ各地の「お酉さま」の本社といわれる。 創建年代等については不詳であるが、言い伝えによれば平安時代後期の武将源義光が、後三年の役のおり兄の源義家を助けるため東北地方へ向かう途中、この地で見かけた鷲のおかけで戦いに勝つことができたため、鷲を祀ったのがこの神社であるという。古くは鷲明神と称されていたが、明治以降大鷲神社と改められた。
 源義光(新羅三郎義光)は秋田佐竹家の遠祖といわれていて、大鷲神社と秋田佐竹家とは江戸時代から係わりが深い。本殿の上棟は嘉永7年(1854年)、竣工は明治8年(1875年)といわれるが、それより以前に幕府は改築を佐竹藩に命じていた。拝殿には、「正一位鷲大明神」の額が掲げられている。7代藩主義明の次男義方が奉納したものだ。義方は毎年「酉のいち」の日に屋形船で綾瀬川の清流をさかのぼって参拝したといわれている。

 本殿の彫物は、左甚五郎の13代目、後藤与五郎の作と伝えられている。向拝柱には昇り龍・降り龍が巻きつき、木鼻には鷹というより、やはりこれは大鷲だろう。そして脇障子にも大鷲。中央には可愛らしい七福神の彫物がある。七福神以外は龍、鷲、獅子、獏、鶏をはじめとする鳥類など、丁寧でありなおかつ迫力に満ちている。後藤与五郎という彫師は他では作品が見あたらないが、左甚五郎13代目と云われるようになったのもうなずける。本殿が出来上がった明治8年、大評判になったことだろう。
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