子之神社( 神奈川県

所在地:湯河原町福浦129
彫師:石田半兵衛
彫物製作年代:天保9年 1838年

 主祭神は大己貴命(オオナムチノミコト)〔大国主神(オオクニヌシノカミ)〕。創建は平安時代中期の天暦七年(953) 〔一説によれば、天慶八年(945)〕、当時荒井の里と呼ばれた当地(現在の湯河原町福浦)で、 夜毎、海が黄金色に輝くという不可思議な出来事が続いた。そこには海上に突き出た大岩の根(岩の基盤部)に、一艘の船が乗り上げていた。尊い大神が乗っていたので、その大神を迎え当地の鎮守として祀ったのが子之神社の創まりと伝えられている。源義家やその家人荒井刑部実継公一党の崇敬が厚く、源頼朝も子之神社を崇敬した。
 子之神社は小高い丘の中腹にあり鎮守の森に囲まれている。社殿は天保9年(1838)の造営、古びた茅葺の社殿は歴史がかんじられる。

 拝殿は伊豆国江奈の住人名匠石田半兵衛の作。欄間、脇障子には司馬温公甕割り、仙人の烏鷺など中国や日本の故事が彫られている。内部の欄間には飛天が彫られている。格天井には、花鳥獣魚の格調高い板絵が描かれている。大半は天保の女性絵師八十島文雅だが、なかには稚拙なものもあり、たぶん地元の無名絵師の参加もあったものとみられている。天井絵だけが湯河原町指定文化財になっている。
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