冠稲荷神社( 群馬県

所在地:太田市太田市細谷町1
彫師:本殿・上州花輪 前原藤次郎
彫物製作年代:元禄3年(1690)

 祭神は宇迦之御魂大神 外二十柱。冠稲荷神社は、平安時代の天治二年(1125)、新田氏の始祖新田義重の父、源義国創建と伝えられている。伏見、豊川、信田、王子、妻恋、田沼と合わせ、日本七社のひとつといわれている。
 承安四年(1174)源義経は奥州下向のさい、当社が源氏ゆかりの社であることを知り冠の中に勧請してきた京都伏見稲荷大社の御分霊を鎮祭。また、新田義貞は元弘三年(1333)鎌倉幕府討伐の兵を挙げるにあたり当社神前にて兜の中に神霊の来臨を請い戦勝を祈願した。これらの故事より冠稲荷大明神と呼ばれるようになった。

拝殿は、延享3年(1746)に建立され、寛政11年(1799)に改築、太田市指定重文。県重文の「最上流算額」二面があり、格天井には花鳥画・神獣画、源道純が描いた「竜神墨絵」がある。向拝と内部欄間に彩色の施された彫物がある。稲荷神社らしく向拝には金色の狐の彫物がある。
本殿は、三間社流れ造り。元禄3年(1690)に再建され市指定重文。彫師は上州花輪の前原藤次郎、小倉弥八、前原兵蔵らの手によるもの。胴羽目の琴棋書画、竹林の七賢人の図などが彫られ、蛙股には狐、また木鼻にも狐が彫られているのが珍しい。すべて彩色されている。本殿拝殿だけでなく、境内には末社、摂社が多く、朱塗りの社殿が多く、鎮守の森の緑に映え、明るい雰囲気の社だ。
© 2008 Wakabayashi Jun. All rights reserved.